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【プロがやさしく解説】エンジンオイル交換の必要性と添加剤の真実|交換しないとどうなる?粘度や添加剤まで徹底解説!

日々のカーライフでついつい後回しにされがちな「エンジンオイル交換」。
この記事では、整備のプロが車に詳しくない方でもわかる言葉で「エンジンオイルの役割・交換しないとどうなるのか・オイルの粘度の違い・添加剤のメリットやデメリット」まで丁寧に解説します。

1. エンジンオイルの役割は「エンジンの血液」

車のエンジンはたくさんの金属部品が高速で動いています。
その中で、エンジンオイルは以下のような大切な働きをしています。

  • 潤滑(じゅんかつ)作用
    → 金属同士がこすれて削れないように滑りを良くします。
  • 冷却(れいきゃく)作用
    → エンジンの中は非常に高温になります。その熱をオイルが吸い取って冷やしてくれます。
  • 清浄(せいじょう)作用
    → エンジンの中で出た汚れを溶かし、内部に汚れがたまらないようにします。
  • 防錆(ぼうせい)作用
    → 金属がサビないように守ってくれます。
  • 密封(みっぷう)作用
    → 圧縮する力が逃げないよう、すき間を埋めてエンジンの力を保ちます。

エンジンオイルはまさに「エンジンの血液」です。

2. エンジンオイルを交換しないとどうなる?

エンジンオイルは時間が経つと汚れて劣化していきます。交換を怠ると、以下のような問題が起こります。

【最初の段階】汚れがたまる

  • オイルの色が黒く濁る
  • 燃費が悪くなる
  • エンジン音がうるさくなる

【中間段階】オイルの性能が落ちる

  • 金属の摩耗(すり減り)が進みやすくなる
  • 加速が鈍くなる、振動が増える

【末期段階】大きな故障につながる

  • 金属同士が直接ぶつかり合い、削れる
  • 最悪の場合、エンジンが壊れて高額な修理費がかかる

オイル交換の目安

車の使い方交換の目安
普段通りの乗り方5,000〜10,000kmごと、または半年〜1年ごと
短距離走行・渋滞が多い・暑い地域など3,000〜5,000kmごと

3. オイルの「粘度(ねんど)」の違いとは?選び方を間違えると危険!

オイル缶に「5W-30」「0W-20」などと書かれた数字があります。これはオイルの粘度(ねんど)=”オイルのドロドロ具合”を表しています。

数字の意味

表記意味
前の数字(例:5W)冬やエンジン始動直後の寒い時のドロドロ度(数字が小さいほど寒さに強い)
後の数字(例:30)エンジンが温まった後のドロドロ度(数字が大きいほど高温でも粘りが続く)

車種や使い方によるおすすめ粘度

粘度適した車・使い方
0W-20燃費重視の車・ハイブリッド車・寒冷地
5W-30多くの一般的な車
10W-40暑い地域・旧型の車・スポーツ走行が多い
15W-50スポーツカー・サーキット走行

重要ポイント:
必ず車の取扱説明書で指定されたオイル粘度を守るのが安全です。自己判断で変えるとトラブルの元になります。

4. 市販の「エンジンオイル添加剤」ってどうなの?

カー用品店に行くと「オイル添加剤」という小瓶が並んでいます。
「静かになる」「燃費が良くなる」「パワーが戻る」などと書かれていますが、実際のところはどうなのか整理しておきます。

添加剤とは?

オイルの性能をさらに強化しようとする補助的な薬剤です。
よく使われる成分とその効果は以下の通りです。

成分主な働き
モリブデン摩擦を減らして音が静かになる
PTFE(テフロン)金属表面をコーティングして摩耗を防ぐ
エステル潤滑性能(滑らかさ)アップ
清浄分散剤汚れが付きにくくなる

【添加剤のメリット】

  • エンジン音が静かになる
  • エンジンの動きがスムーズに感じることがある
  • 摩耗を減らしエンジン保護に役立つこともある
  • エンジン内部の汚れ防止に役立つ製品もある

【添加剤のデメリット・注意点】

  • すでに良いオイルを使っていれば効果はあまり感じにくい
  • オイルの成分バランスを崩す恐れがある
  • 粘度が変わってオイルの流れが悪くなる場合もある
  • 長期間使い続けると逆に汚れがたまることも
  • 添加剤を買い足すより、オイルをきちんと定期交換した方がコスト面では有利

【整備士としての結論】

  • 高品質なオイルを正しいタイミングで交換することが一番大事
  • 添加剤はあくまで「補助」。使用は自己判断ではなく相談の上が安心
  • 特に新車・最新型の車には基本的に必要ない場合が多い
  • メーカー保証期間中の車は添加剤使用で保証外になることもあるので注意

5. 【まとめ】オイル交換こそ愛車を守る最高のメンテナンス

✅ エンジンオイルは「消耗品」。定期的な交換が車を長持ちさせます
✅ 添加剤は魔法の液体ではなく、使い方次第
✅ オイルの種類・粘度は必ずメーカー指定に従うのが安心

「もう少し走ってから交換しようかな…」が大きな出費に繋がることも!
オイル交換は数千円の出費で大きな故障を防ぐ非常にコスパの良いメンテナンスです。

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